里山で遊ぶ

ゆるい午後 遠回りする 帰り道
のどかな午後の時間を満喫できたらと思う。

この道を 3

このブログは 載せるのをやめようかと ずーっと迷ってました。

『生きる』って 何だろう?と漠然と思うことがあります。
S歯科医院の待合室で 私はTVのニュースを見ていました。
パラリンピックの水泳で 最年少のアスリートがメダルを獲得した内容でした。
結果は分かっているのに 懸命に泳いでる彼女を応援してる自分がいました。
レースが終わった時に 自分の気持ちが 彼女の父親気分みたいに誇らしく感じました。


インタビューの時 笑顔で話してるアスリートの言葉に感動しました。


昔からの言葉で 子供は親より先に死なない がありますが、
このアスリートの父親は 子供より先には絶対に自分は死なないと思ってたと思います。
が、癌で このアスリートの父親は2年前に他界しました。
この時の無念さは... きついですね。
私は どうしても父親目線で 見てしまいますが、
世の中は 不条理で 不平等で 何故なんだと思いますが、
それでも懸命に生きている このアスリートの姿に 色々と教わりました...



以前 この待合室で見た 風景です。


S歯科医院の待合室で椅子に座って順番待ちをしてると
処置室内から院長の大きなダミ声や 助手の方々の優しい声が 一斉に聞こえました。
治療が終わった老夫婦が待合室に戻ってきました。
にこやかなお顔をした奥さんですが 目が見えないようです。
ご主人が奥さんの両手をしっかり持ち 
二人で ゆっくりと歩いてソファーに座りました。
奥さんはソファーに座っても ご主人の手を握り 体はご主人に寄りかかってました。
治療を終えた奥さんが何かをご主人の耳元で喋ってるのが見えましたが 
何を言ってたのか分かりませんが ホッとした顔が印象的でした。
ご主人も奥さんの両手を自分の両手で しっかり掴んだまま座ってます。
受付の女性がソファーまで行き 手続きを終えました。
ご主人が両手で しっかり奥さんの両手を掴んだまま 
入口の下駄箱まで向かって歩き出しました。
子供連れのお母さんが子供を捕まえて 老夫婦の邪魔にならぬよう道を譲りました。
その時 入口から建築業関係と思われる服装の金髪の若者が入ってきました。
その金髪の若者は ちょっとの間 老夫婦を見てましたが
サッと老夫婦の邪魔にならないように避けて ジ~っとその場に立ってました。
老夫婦に何かあった時に 真っ先に手を差し伸べようとしてる態勢です。
それは子供連れのお母さんも同じでした。
老夫婦の奥さんの髪は 寝起きのようなグチャグチャな髪形でしたが、
着てるオーバーコートは とても高価そうに見え アンバランスでした。
服はご主人が選んだのかもしれません。
少し武骨そうだけど優しさに溢れるご主人の姿に圧倒されました。


想像ですが、このご夫婦のお子さんが『二人だけで大丈夫か?』と
何度も 何度も 聞いてきてると思います。
その時 ご主人は いつも 『俺が動けるうちは大丈夫だ。気にするな。』
と言ってると思います。
この年の先輩は みんな やせ我慢をするのが当たり前で育ってきてます。
自分の弱みを見せまいと 誰にも迷惑をかけまいと 必死で頑張るんです。
ゆっくりと歯科医院から帰っていく老夫婦をいつまでも見ていました。
この老夫婦を見てると とても切なくなりました。
この道は いつか 必ず 誰もが通る道です。
私も いつか 必ず 同じような道を通るでしょう。
ゆっくりとっした足取りで帰っていく老夫婦の後ろ姿を見てるとき
私の頭の中に 小田和正の『この道を』が何度も繰り返し聞こえてました。


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