里山で遊ぶ

ゆるい午後 遠回りする 帰り道
のどかな午後の時間を満喫できたらと思う。

娘と ~人間力とは~


娘は ドイツに15年以上 住んでます。
ミュンヘンの大学で研究員(当初は単年契約でしたが現在はパーマネント)をしてます。


以下ボスD、ボスNは ボスD=ドイツの教授、ボスN=日本の教授 の事です。


ドイツで働きだした数日後 いきなりTVクルーが職場に来て
撮影が始まり びっくりして アタフタしたそうです。
ボスDのサプライズだったそうですが あまりにも酷かったのでtake2をしたそうです。
サイエンス関連は よく TVが取材に来るみたいです。



娘の歓迎会がありました。
幅広の廊下に椅子を用意して 研究室メンバーに簡単なBBQをして頂いたそうです。
メインディッシュは研究用ゲージにいたウサギです。
ホルモンは1週間で抜けるので問題ないって言われたみたいです。
ウサギは美味しいと言ってました。
私は ちょっと無理ですけど...


娘が 最初に驚いたのは 雪の中 ポンチョを着た学生の集団が
無言で 急いで 大学へ向って自転車を漕いでいる光景です。
それを見た娘は
日本は 近いうちにドイツに負けるよ!
日本は甘すぎる! だそうです。
事実 ドイツにGDPが抜かれてしまいましたね。


当初 ボスDがボスNへ依頼したのは バリバリの30才台の若い男性研究員でしたが
家庭の事情で行けなくなって 急遽 ボスNが娘を送り込んだんです。
ボスDはちょっと困ったんじゃないかと思いますね。
娘はまだ博士課程の3年の学生で 卒業をしてませんでしたから...


ボスDの研究室で 上手くいかない研究の一部分のパートを成功させねばならない為に
送り込まれた訳ですが それが まだ卒業前の若い女子学生にできるか
ボスDは 相当不安だったんじゃないかと想像します。


当初 娘が色々とトライして 上手くいきませんでした。
最後に 娘が出した結論は
装置のライカのレンズは暗い。
日本のニコン製の装置で作業をしたい。
これをボスDに言ったら人差し指を横に振って 笑いながらNO!の仕草を。
私でもライカのレンズは世界1だと知ってますが
ましてやドイツ人のボスDは
この若い女の子は何を言い出すんだと思ったことでしょう...
でも
娘はボスNにニコン製の装置を送ってくれるよう依頼。
結果 成功させました。(ドイツでは始めて?)
私だったら ボスDが人差し指を振った時点でギブアップしてますけどね...


現在では 高価なんですが ニコン製の装置が3台 研究室に設置してあるそうです。


娘が大学4年生の時 ボスNから手紙が来ました。
娘を研究室に残したいと書いてありました。
色々と書いてありましたが 1番の理由は
娘の人間力を 高く評価して頂いた事です。
学校での勉強が どうのこうの ではありません。
数値では評価できない人間力を評価して頂いて
親としては とても嬉しかったです。


ボスNが娘をドイツの大学に送り込んだ理由が 今 分った気がします。
娘の人間力があれば 少々の事は突破すると思われてたんでしょう。



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