里山で遊ぶ

ゆるい午後 遠回りする 帰り道
のどかな午後の時間を満喫できたらと思う。

我が良き友よ

私が学生時代に始めて住んだ下宿先は 典型的な男だけの縦社会でした。
というか 下宿先に住んでたのは 12名の男だけでした。
下宿先の建物は古い木造の一戸建てで 6畳の部屋が2つ、4畳半の部屋が2つあり
玄関の脇に共同の炊事場(水道、プロパン)と共同のトイレがありました。
ここに4人が住んでいて この古い木造建物が 合計3棟ありました。
庭の奥の方にコンクリートブロックで造った共同の風呂場があり、
その風呂場に脱水機が壊れた洗濯機が置いてありました。
各部屋のカギはついていましたが 壊れていました。


ここの4畳半の部屋に 私と もう一人の1年生が 入りました。


下宿先で最初に言われたのが、『小麦粉と醤油は絶対切らすな!』でした。
仕送りのお金が無くなってくると みんなで餓死しないように 
小麦粉を親指サイズにこねて すいとんを作って飢えを凌いでいました。
もう時効なので書きますが 近所の畑のネギを失敬させて頂き
ぶつ切りにしたり、ちぎったりして すいとんの鍋に放り込みました。
味付けは醤油のみですが 時折 この下宿の主(ぬし)の実家から送られてくる
切り干し大根や干し椎茸を入れることがありました。
この微妙な味が 今でも 忘れられません。
美味しいわけではありませんが また 食べてみたい 懐かしい味です。


本当にお金がないかと言えば、そうでもないんです。
お金があるときは まず最初にお酒を買ってしまうんです。
ハイニッカの大瓶を購入しますが、お金がある時はブラックニッカを 
懐事情が許せば だるま(サントリーオールド)を購入し 
凡そ 1週間で1瓶を飲み干すペースで飲んでいました。
下宿先には 私ともう一人 1年生がいましたが、
ハイニッカはアルコール臭くて すごく不味いので 
ブラックニッカを購入してました。
ブラックニッカを飲んだ次の日に もう一度飲もうとすると 
かなりの確率で ブラックニッカの瓶の中身がハイニッカにすり替えられていました。
中身のすり替えは暗黙の了解で人を疑ってはいけないルールがありました。
すり替えられたほうが注意不足という事です。
この事が二度続けて繰り返されたので、
これは どうもこの下宿の主(ぬし)の仕業ではないかと思えました。
ある日、主がブラックニッカの瓶を持ち帰った時に、もう一人の1年生と一緒になって
ブラックニッカの中身をすり替えようという話になりました。
主が外出した時に ブラックニッカの中身をビクビクしながら二人ですり替えました。
部屋に戻り 二人でブラックニッカを飲んだところ 
既に中身は誰かに ハイニッカにすり替えられていました。
 

 


この他にもう一つ 普段は靴ではなく
下駄かビーチサンダルを履くことというルールがありました。
一年中 炬燵に潜って寝ることも理由の一つですが、
ほぼ1年中 麻雀をやるために炬燵を出しているので 
靴下をはくと炬燵の中が臭くなるので素足で臭くならないようにするためです。
下駄は人のを履いても良いというルールでした。
下駄が時折 割れた時は 新しい下駄を誰かが買うまでは 
最後に外出するものは下駄がなく 真冬でもビーチサンダルで外出する事になります。
見た目が もろ貧乏人で かなり恥ずかしので外出は控えることになるんです。
下駄に関しては上下関係はなかったので早めに外出をしていました。
ひどい下宿だと思われる人がいると思いますが、
炬燵の上に財布や現金を置いたままにしていても無くなったことはありません。
実家から送られてきた食料品なども無くなったことは一度もありません。
何はしてもよくて何がしてはいけないか この下宿で徹底的に教わった気がします。
 

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