里山で遊ぶ

ゆるい午後 遠回りする 帰り道
のどかな午後の時間を満喫できたらと思う。

親父の背中

青くクッキリ澄んだ空を見上げると 小さな白い雲が 数個 浮かんでいました。
庭に 少しだけ立っているだけでも 汗が顔に滲んできます。
近くの中学校の校庭の周囲を囲んだ桜の老木から 蝉の声が聞こえてきます。
まだ朝9時過ぎだというのに 暑いです。
TVの天気予報では 今日も真夏日が続くらしい。


久しぶりに 巨樹を見に行こうと思い 山の方に向かって1時間ほど車を走らせました。

今回は 相棒 兼 モデル 兼 大きさ比較装置のトトロ君と一緒です。  最初に訪問するところは法龍寺です。

法龍寺には 大きな榧(カヤ)と銀杏(イチョウ)の木があります。
榧の木の下に行くとヒンヤリとしていて カメラのレンズが一瞬で曇ってしまいました。
一度 レンズを拭きましたが また すぐ曇ってしまいます。 
霊が潜んでいるのでしょうか?
ヒンヤリとした空気が体に纏わりつき 何か分かりませんが 何かを感じます…。

奥の方を見ると大きな銀杏の木がありました。

銀杏の木の回りの方が陽当たりが良かったので 銀杏の木から写真を撮る事にしました。 

早速 モデルのトトロ君に参加してもらう事にしました。 

銀杏の木の幹の凹んだところにトトロ君を置きました。  

少し 木から離れて 写真を撮りました。 

更に もう少し 離れて写真をパチリ。 

幹の根元から 徐々にカメラを上の方に向けて 写真を撮ろうとしたら アレェ~ 

木の枝にぶら下がっていたり太い幹に座っていた言霊(コトダマ)達が 

一斉に フワ~ッとピンク色の光を発して 消えて行きました。  

一瞬の出来事でしたが すぐに 元の銀杏の木に戻りました。  

陽当たりの良い場所に移動して 写真を撮る事にしました。 

徐々に 離れて 写真をパチリ。 

更に離れて 写真を撮りました。 

銀杏の幹のだいたいの大きさが分かると思います。 

もっと離れて撮りましたが 幹の下の方にトトロ君がいるのが分かるでしょうか? 

ソーッとカメラのレンズを上に持ち上げましたが 言霊が遊んでるのが見えますか?


銀杏の木で 充分 楽しんだので 次に 榧の木を撮る事にしました。

榧の幹の下に トトロ君に座ってもらいました。 

少し 離れて 写真をパチリ。 
木の根っこの回りに 妖怪の顔のようなものがビッシリ見えます。

もう少し 離れて 写真を撮りました。
幹の上の方にも 無数の顔が浮き上がっているように見えます。 

ソーッとカメラのレンズを上に向けて見ました。

言霊やマックロクロスケが見えるでしょうか? 

30分以上 ここで遊んでました。
誰一人いませんでしたが 巨樹にぬいぐるみを置いて
写真を撮ってるオッサンは不気味でしょうね。
人に会わなくて ホント 良かったです。


次は 文武官跡地に建ってる小学校の校庭にある欅(ケヤキ)の巨樹を見に行きました。 

最初に観た欅は 巨樹の幹の中央部分から黒い欅がバーンと脱皮して

飛び出したように見えたので ビックリしました。 

校庭を奥の方に向かって行くと 大きな欅の木が2本ありました。

右側の巨樹の洞穴に トトロ君を置きました。 

少し 離れて 写真をパチリ。 

トトロ君が 昔から ここに住んでいるのではないかと思うほどフィットしてます。 

左側の欅です。 

この欅には 何かイワレがありそうです。木のあちこちに 霊を感じます。 

少しずつ 離れて写真をパチリ。 

何かが居そうというより 巨樹そのものが生きていて 話しかけてるようです。 

欅の巨樹が 何を話しかけてるのか トトロ君には 分かるでしょうか? 

相変わらず 欅の巨樹からは 蝉の声が聞こえてきます。
蝉たちは 欅の巨樹の木陰が 気持ち良いんでしょうか?


私が小学校高学年の頃です。
夏休みのある日 今日のように 蝉の声が聞こえていました。
家には 親父と私の二人だけがいました。
近所のオジサンが3~4人で我が家に来て 親父に話しかけていました。
始めは丁寧で静かな会話でしたが 最後頃に 親父が大きな声でキッパリ言いました。
『戦争の始まりは 全て宗教戦争です。私は行きません。お帰り下さい。』
オジサン達は 選挙で立ち合い演説に来て欲しいと親父に頼みに来たのです。
演説は 宗教の教えなども話すので是非との事で、
母親が少し前 近所の手前 聞く格好だけでもしとけばと言ってました。
親父は 他にも何かを言ってましたが 子供の私には分かりませんでしたが、
雰囲気だけは 私にも伝わってました。
強い口調で キッパリと断った親父の横顔を 今でもハッキリ覚えています。


親父は 戦争に行ってました。
陸軍で 階級は中尉 隊を率いてた立場です。
私は 親父から戦争の話を聞いたことが 一度もありません。
ただ 一度だけ 話を聞いたことがあります。
銃撃戦になったときに 若いのが親父の前に来て
『今から 突撃します。』と言ったそうです。
親父は 思いっきりぶん殴り 突撃を止めました。
その止めた若者は 生きて日本に帰ってくることが出来ました。


随分 カッコいい話ですが 親父の性格からして 実情は多分 以下だったと思います。
親父は結婚して すぐに 戦地に赴きました。
若者が日本の為だと奇麗ごとを言って死んでいくのを美化されてた時代です。
日本の為に死ぬ事を 書かされ 読まされ 聞かされ 絶対化された時代です。
1人が突撃すれば 後に続くものが 必ず出てきます。
何せ 究極の状況の中 カッコいい死をもって
その場から逃げ出すことが出来る訳ですから。
隊から多くの戦死者を出せば 親父は きっと 自分も戦死を選んだと思います。
親父は どんな手段でも 生きて日本に帰り 母親に会うことを選択したと思います。
その為には 隊の全員を日本へ連れて帰る必要があったからだと思います。
親父が亡くなった今 真相は分かりませんが…


親父は 宗教の教えなど 絶対化されたものを極端に嫌ってました。
それと戦争に関わるようなものには 極端な嫌悪感を示してました。


今でも 私の中に 親父が背中で示したことが しっかりと残っています。  

そうだよね!  トトロ君 

何か 言ってくれよ…

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